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皆さんは心療内科で受けられる治療の一つであるTranscranial Magnetic Stimulation、通称TMS治療について知っていますか?
TMS治療は薬に頼らずにうつ病を改善する効果が期待できるため、日常生活に支障をきたしたくない人におすすめです。
しかし、TMS治療を受けるにあたって心配なのは、TMS治療を受けて症状が寛解しても、うつ病が再発する可能性があるのではないかという点です。
うつ病は再発率が高いので、TMS治療を受ける必要性があるのか気になる人も多いのではないでしょうか。
それでは、TMS治療による維持療法についてご説明しましょう。
【TMS治療とは?】
TMS治療とは、反復経頭蓋磁気刺激と呼ばれる治療法であり、主にうつ病や不眠症、パーキンソン病などの様々な症状に用いられる新しい治療法です。
薬物療法などのように副作用を心配せずに治療が受けられるのも大きなポイントです。
TMS治療は人体に無害な磁気を用いて脳に刺激を与えることにより、脳の活性化や血流増加を促すことができます。磁気は頭蓋骨などを貫通して神経細胞を刺激するため、繰り返しTMS治療を受けることで神経細胞のネットワーク活性化が期待できるでしょう。
TMS治療は、以下のような方におすすめです。
•受験生などの急いでいる人
•切羽詰まっている人
•妊娠を希望している女性
•授乳中、産後、運転業務、パイロット
•うつ病で薬物治療を受けているがなかなか治らない人
•現在服用している薬を減らしたい
•薬の副作用に悩まされている
•肝機能障害や腎機能障害などの持病で薬が飲めない
【うつ病の再発率】
うつ病は再発率がかなり高い精神疾患で、一度うつ病が改善したとしても約50%は再発するとされています。さらに、一度うつ病を再発した人は再発率がさらに高まってしまうため、一度うつ病が改善できたからといって油断することはできません。
したがって、うつ病が改善できたとしても定期的に再発防止治療を受けることが重要になってきます。
【TMS治療を受けてもうつ病が再発することはある?】
結論から言えば、症状寛解後も定期的にTMS治療を受けることで再発を防止することが期待できます。
薬物療法や心理療法でも再発防止治療ができますが、薬物療法は副作用が気になる人もいますし、心理療法でも再発する可能性はあります。
しかし、TMS治療は様々なうつ病治療の中でも、特に再発率が低い方法として注目されているのがポイントです。
【どのくらいの頻度でTMS治療を受けた方が良い?】
まだ研究段階ではありますが、TMSで症状が寛解後、例えば最初の半年間は週1回、次の半年間は隔週1回というようにTMSの維持療法を行うことで、再発を防止することが期待できます。
どのくらいの頻度で治療を受けるかは、主治医としっかり相談した上で決めていくのがおすすめです。
定期的に治療を受けても大丈夫?
TMS治療を定期的に受けることによって副作用が発生しないかどうかが気になる人も多いかもしれませんが、実際はそこまで心配する必要性はないとされています。
というのも、元々TMS治療は薬物療法よりも副作用が軽度で済むことが多く、頻度も少ない傾向にあるので安心して治療が受けられるのが大きなポイントです。
ただし、以下のような副作用が出てくる可能性があります。
•磁気による局所の不快感
•頭痛
•筋収縮
•顎痛
•歯痛
•顔面痛
回数を重ねることで副作用が軽減されることもあります。
基本的にTMS治療は複数回治療を受けてこそ効果が発揮されるので、少ない回数では効果が出ないことも少なくありません。
また、改善したからといって治療をやめてしまうとうつ病の症状が再発する可能性があるため、維持療法を受けるのがおすすめです。
【まとめ】
TMS治療は、うつ病の症状が寛解した後、維持療法として定期的に受けることで再発率を下げることがが期待できます。
症状が寛解後、再発が心配な方はTMSの維持療法について主治医にご相談ください。