「最近、生え際が気になって仕方ない…もしかしたらAGAっていうやつなの?」
薄毛で悩み、調べていたところ「AGA」というワードを目にしたのではないでしょうか。AGAは男性型脱毛症と呼ばれ、日本人男性の3人に1人が悩んでいます。
本記事を読むことで次のことがわかります。
● AGAとは何か
● AGAの原因
● AGAはどのように進行するか
● AGAの進行の仕方
● AGAの治療法
● 自宅でできる対策
薄毛に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
AGAとは?
AGAとは「AndrogeneticAlopecia」の略で、徐々に進行する男性型脱毛症です。20代以降から発症する人が多く、40代以降に完成するのが特徴になります。日本ではおよそ1260万人がAGAだといわれています。
最終的に髪の毛が表面に表れなくなり、後頭部や側頭部の髪が残るのが一般的なAGAの進行パターンです。現時点では完治しない病気で、適切な治療を行うことで進行を遅らせることができます。
AGAの原因
AGAの原因は、はっきりしていません。現時点で考えられているのは、ホルモンや遺伝、ストレス、生活習慣による影響です。
ホルモン
AGAの発症には「テストステロン」と「ジヒドロテストステロン」という2つの男性ホルモンが関わっています。
ジヒドロテストステロンは元々、男性の生殖器の発達や思春期の男性の発育に関わっています。しかし思春期以降、ニキビや前立腺肥大の原因になるなど、よい働きをするホルモンとは言えないため「悪玉男性ホルモン」と呼ばれることがあります。髪の成長を抑える働きをもっており、AGAの原因の1つです。
そんなジヒドロテストステロンは、テストステロンと「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素が合わさることで生み出されます。
つまり、5αリダクターゼの量によって、ジヒドロテストステロンの量が左右されるわけです。そのため、治療では必要に応じて5αリダクターゼを抑える必要があります。
遺伝
高い確率で遺伝し、薄毛の家族がいる場合、AGAを発症しやすいといわれています。
AGAの発症のしやすさは、5αリダクターゼの量だけでなく、5αリダクターゼがどれだけ活発か、そしてジヒドロテストステロンを感知したり受け取ったりする「受容体の感度」が関わっています。
つまり、活性度や感受性が高い遺伝子を受け継ぐことでAGAの発症しやすさにつながるわけです。
具体的な確率として、母方の祖父が薄毛だと約75%が遺伝します。さらに母方の祖父だけでなく曽祖父も薄毛の場合は約90%遺伝するとされています。
ストレス
直接的な原因だとは考えられていませんが、ストレスは抜け毛の増加の1つになるといわれています。ストレスが影響すると考えられているのは、髪の毛を作ったり守ったりする「毛包」です。
毛包は、成長期と休止期という時期を繰り返していますが、あるマウスを使った実験で、ストレスが毛包の休止期を持続させて再生できないようにしたと報告されています。つまり、ストレスを感じると髪の毛の成長を妨げてしまう可能性があるわけです。
生活習慣
悪い生活習慣は髪の毛の成長を妨げる原因だと考えられています。たとえば、睡眠不足だと髪を作るために必要な成長ホルモンの分泌を滞らせてしまいます。喫煙は、ニコチンの血管を収縮させる作用によって頭皮への血流が低下するため、毛を作るのに必要な栄養が不足し、髪の成長が妨げられます。
また、髪の毛を作るのには、タンパク質やビタミン、ミネラルが必要です。きちんと栄養を取ることで髪を作る準備をしますが、これらが不足すると、生成が妨げられる原因となります。
男性だけでなく女性も悩むAGAの事実
実は、男性型脱毛症と呼ばれるAGAは、女性にも発症します。その場合、原因が男性ホルモンだけでは説明できないこともあるため、AGAではなく、女性型脱毛症(FPHL)と呼ばれるようになっています。
女性型脱毛症は、女性にあらわれる脱毛症全般を指しています。その中に、女性ホルモンが減少して男性ホルモンが増加する「女性型男性型脱毛症(FAGA)」が含まれます。
FAGAの場合、AGAとは異なり、前頭部や頭頂部などの部分的な症状ではなく、広範囲に髪が薄くなるのが特徴です。更年期の女性に多く見られますが、20~30代の女性にも見られることがあります。
AGAの進行パターン
AGAの進行は「ハミルトン・ノーウッド分類」を元に、日本独自の進行パターンを加えて8つの進行段階に分けられています。ここでは、さらに大きく分けた3つの進行パターンをご紹介します。
M字型
額の左右の生え際から薄くなる進行パターンです。アルファベットのMのように薄くなるため、M字型と呼ばれています。
O型
頭頂部から薄くなる進行パターンです。アルファベットのOのように薄くなるためO字型と呼ばれています。正面から見て分からないため気付きにくいのが難点な進行パターンです。
U字型
前頭部~頭頂部全体の生え際が、後頭部に向かって薄くなっていく進行パターンです。上から見てアルファベットのUのように薄くなるためU字型と呼ばれています。M字型やO字型と同時進行することも多くなっているのが特徴です。
AGA治療法
ここでは、AGAの治療法について解説します。
薬による内服治療
AGAでは、主に薬による治療が行われます。よく用いられる薬は次の2つです。
● フィナステリド:Ⅱ型5αリダクターゼに対する阻害薬
● デュタステリド:Ⅰ型、Ⅱ型5αリダクターゼに対する阻害薬
実は、先述した5αリダクターゼには「Ⅰ型」と「Ⅱ型」があり、AGAの原因であるジヒドロテストステロンに変化させやすいのは、Ⅱ型だといわれています。
「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では、801名の日本人の男性が5年間の内服継続したことで、99.4%の人に効果が得られたという研究結果があると報告されています。フィナステリドの副作用として、勃起機能不全や精液量減少といったものがあるといわれていて、まれに肝機能障害も起こります。
一方、デュタステリドは、前述した同ガイドラインにて52週間(約1年間)、服用を継続したことでも毛量が増えたという研究結果の記載があります。副作用に関しては、勃起機能不全や性欲減退などがあると報告されていて、フィナステリドと同じような副作用です。
2つの薬は併用せず、どちらか一方の薬を用いて治療することになります。また、いずれの薬を服用する際も「子どもをもちたい」という男性は、パートナーが妊娠してから治療を始めた方がよいでしょう。
医療機関での専門治療さまざまな方法の一覧
AGAの治療は、薬を使った治療の他にもさまざまな治療法があります。
「AGAのさまざまな治療法」
治療法 | 治療内容 |
---|---|
メソセラピー療法 | 注射やレーザーで薬を直接注入する |
HARG(ハーグ)療法 | 毛髪再生治療のことで、頭皮や毛根の再生を促す成分を直接注入する |
LED発毛光療法 | 毛髪の成長を促すことに特化したLEDの光を照射する |
人工毛の植毛 | 合成繊維で作った毛を頭皮に植え込む |
自毛の植毛 | 後頭部や側頭部の髪を薄毛の部分に植えこむ |
ダブルマトリックス | 自分の健康な毛包を採取して、粉砕したものを溶かして治療したい箇所に注入したり散布したりする |
メソセラピー療法とHARG療法は、どちらも有効成分を直接注入するという意味では大きな違いはありません。注入する成分の違いです。
AGAの治療の流れ
ここではAGAの治療の流れを見ていきましょう。
受付・問診票への記載
病院に着いたら、受付をして問診票に記載をします。
一般的に問診票に記載する内容は次のとおりです。
● 基本情報(氏名や年齢など)
● 病歴
● 症状の経緯などの詳細
● 育毛剤や治療薬の使用経験
● 血縁者に薄毛の方がいるか
また、事前の準備として、病院を受診する際には整髪料はつけないようにしましょう。服用中の薬があれば、何の薬かを確認しておくのも大切です。
問診・カウンセリング
問診・カウンセリングでは、問診票に記載した内容の確認や髪に対する不安や現状について聞かれます。ここできちんと脱毛の症状について詳細に伝えた方が、治療がスムーズに行きやすいです。
検査
検査では、頭皮の状態や髪の毛の状態を確認するために、頭皮の撮影や血液検査などを行います。
治療
問診・カウンセリング、検査の結果を基に治療を開始します。一般的な治療は、薬剤の処方です。状況や希望することによって他の治療方法も検討します。
定期診察
AGAの治療は継続が不可欠のため、定期的に受診して状態を確認します。具体的には次の内容を確認します。
● 治療効果が出ているか
● 副作用が出ていないか
● 治療方法の変更はしなくてもよいか
日々の生活でAGAに関して気になることがあれば、定期診察で質問や報告をしておきましょう。
AGAクリニックの選び方
AGAの治療を行うクリニックを選ぶポイントは、実績と評判です。クリニックの治療実績や専門性、信頼性に足る資格証明などの確認は大切になります。評判に関しては、クリニックの公式HPだけでなく、リアルな評判のわかるSNSを活用した情報収集がおすすめです。
また、クリニック選びでは通いやすいかどうかもポイントです。先述したように、AGA治療では継続が大切です。しかし、遠い場所にあるクリニックだと足が遠のく可能性があります。そのため、できるだけ近場が望ましいでしょう。
ただ、他にも方法があります。それはオンライン診察の利用です。オンライン診察であればクリニックが遠くともオンラインで問診~治療、定期診察まで可能なので、治療を継続しやすくなります。当クリニックはオンライン診察も行っているので、興味があれば活用してみてください。
AGA治療に向けた効果的な対策と予防法
AGAの治療と並行して行うべき対策と予防法をご紹介します。
自宅で頭皮マッサージや育毛ケア
頭皮マッサージで硬い頭皮をほぐすことで血流の促進につながり、髪の成長に良い影響をもたらすでしょう。爪を立てず、指の腹でやさしくマッサージしてください。
育毛ケアとしてシャンプーも大切です。シャンプー剤は頭皮への刺激が少なく、適度に皮脂を取るものを選びましょう。シャンプーは、頭皮マッサージと同様にやさしく行ってください。
育毛剤を使用したい場合は、受診先の医師に相談してからにしてください。外用薬との併用で、かぶれやアレルギーの原因になることがあります。
生活習慣の見直し
睡眠や食事、喫煙、ストレスは髪の毛の成長に関与しています。今の生活習慣を見直して、良い生活習慣を送ることで、AGAの進行を遅らせることができるかもしれません。いきなりすべての改善は難しいため「8時間の睡眠を取るようにする」「バランスの取れた食事を意識する」「喫煙しない」など、まずは1つだけでも悪い習慣を断ち切り、良い習慣を身に付けるようにするとよいでしょう。
まとめ
AGAとは、徐々に進行する男性型脱毛症のことで完治しない病気です。しかし、適切な治療で進行を遅らせることが可能になります。長期的に治療を続けていくことが大切になるため、通いやすいところを選びましょう。近くにAGAの治療ができるところがなければ、オンライン診療の活用をおすすめします。
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