症状解説

認知症

認知症とはどんな病気?

認知症とは、新しいことが覚えられない、経験したことを思い出せないという記憶の障害に加えて、思考や判断力の低下、言葉の異常、行動の異常がでてきて、今までしてきた仕事、日常生活が困難になっていく病気です。
認知症でいちばん目につくのは物忘れです。とくに認知症の初期には、最近の出来事が思い出せなくなります。
これは、年をとると誰にでも生じる加齢による物忘れとは違います。例えばどこかに財布を置き忘れたとします。加齢による物忘れでは、どこに置いたかはとっさには思い出せなくとも、「忘れた」ことはわかっています。認知症では、財布を忘れた、という事実も忘れてしまうのです。つまり、経験した内容だけでなく、経験したこと自体も忘れてしまいます。さらにその物忘れによって、普段の生活に不都合を生じてきます。そして認知症が進行すると、昔の出来事、言葉やことわざの意味がわからなくなり、その状況に適した行為、場所や人の識別ができないなどの症状が現れます。

認知症の原因にはいろいろあります。たとえば、脳血管障害、脳外傷、脳腫瘍や脳炎などで、脳の広い部分が侵されると認知症が起こる可能性があります。主に50歳以上で起こる認知症の多くは、脳の老化と密接に関連した認知症性疾患です。
これらのうち、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、血管性認知症が三大認知症と呼ばれ、頻度の高いものです。
認知症の原因のうち、アルツハイマー型認知症が50~60%を占めます。これに血管性認知症が20~30%、レビー小体型認知症が10~20%、その他の原因が10%と続きます。
認知症は65歳以上の高齢者に多く、2005年169万人、2010年では270万人と、高齢者の増加によって患者数も増えています。 また、高齢者全体の総数に占める認知症患者の割合は、2005年6.7%、2010年には9.1%にも上り、疑いのあるものも含めると、実に高齢者の10人に1人弱は認知症であるともいえます。
症状の増減はあるものの、決して一時的な現象ではなく、加齢とともにどんどん進行していくものです。

認知症の主な症状

認知症の症状は、大きく分けて2種類あります。
1つは認知症患者の方に共通して見られる「中核症状」、もう1つは認知症患者の方によって現れ方に個人差がある「周辺症状」です。

中核症状

中核症状は、すべての認知症患者の方に共通して認められる症状です。
「脳の神経細胞が死滅することによって起こる症状」で、認知症は「記憶や認知機能を司る脳の部位の神経細胞が死滅すること」ですから、必然的に認知症患者の方に中核症状は認められる、ということになります。大別して下記の5種類が挙げられます。

自分が感じる気分の変化だけでなく、周囲からみてわかる変化もあります。周りの人が「いつもと違う」こんな変化に気づいたら、もしかしたら本人はうつ状態で苦しんでいるのかもしれません。

記憶障害

  • 会った人の名前をすぐ忘れてしまう
  • 食事をしたかどうか思い出せない
  • いま自分が何をしようとしていたか忘れてしまう
  • 道を思い出せず迷ってしまう
  • 物を置いた場所を思い出せない

見当識障害

  • 約束の時間を守れない
  • 外出の用意ができない
  • 季節にあった服を選ぶことができない
  • 道に迷い家に帰れない
  • 家の中でトイレや自分の部屋を間違える
  • 家族や親戚、近しい友人が誰だか分からなくなる

判断・実行機能障害

  • 料理ができなくなる
  • 計画的に買い物ができず、不必要なものを買ってしまう

失語・失認・失行

  • 言葉をうまくしゃべれなくなる
  • 身につけた一連の動作ができなくなる

病識欠如

  • 自分の病気の症状を認識できない

周辺症状(BPSD)

周辺症状は個々の認知症患者の方が置かれている環境や心理状態によって現れ方が異なる症状だと言えます。大きく分けて、周辺症状には「精神的な症状」と「行動的な症状」があります。

精神的な症状

  • あるはずのないものが見えたり聞こえたりする
  • ありえないことを固く信じ込む
  • 気分が落ち込む
  • 物忘れがひどくなる
  • 日時、場所、人が分からなくなる
  • 考える力、理解する力が低下する。
  • 計算ができなくなる
  • 物事を見分け判断する力が低下する。人違いをする。
  • 物をとられたと思い込む

行動的な症状

  • 歩き回る
  • 不眠
  • 怒りだして暴力をふるう
  • 食べられない物を口に入れてしまう
  • 便をいじる
  • 歩くことが困難になる
  • 食べ物の飲み込みが悪くなったり、むせたりする
  • 尿や便が出にくかったり、失禁したりする

治療方法

認知症で、最も肝心なのは早期発見です。早期発見・治療によって認知症にならずにすむこともあります。
予防可能な認知症、治療可能な認知症などと呼ばれ、硬膜下血腫によるものでは脳外科的手術で予防や治療ができます。感染症、内分泌疾患、代謝性疾患、中毒性疾患などによるものでも、各疾患の予防あるいは治療によって認知症になる前の予防も可能ですし、軽いうちならば治療もできます。
しかし、老化性認知症性疾患に対する根本的治療法はありません。

1アルツハイマー病に対する薬物療法

アルツハイマー病の場合、日本では治療薬としてドネペジル(アリセプト)が広く使用されています。物忘れを治すことはできませんが、数年間、進行を遅らせることができる可能性はあります。
そして、2011年に3剤のアルツハイマー病治療薬が承認されました。メマンチン(メマリー)、ガランタミン(レミニール)、リバスチグミン(リバスタッチ)です。今までドネペジルが無効あるいは副作用が出現したケースでも、試してみることができるようになり、またメマンチンは他の3剤とも併用可能となり、アルツハイマー病の新しい薬物治療ができるようになりました。

2周辺症状に対する薬物療法

認知症の症状には、病的な物忘れ以外に、不眠やうつ状態、怒りっぽくなる、幻覚、被害妄想などがあります。これらの症状は周辺症状(BPSD)と呼ばれます。日常生活に大きな影響を及ぼしてしまうので、向精神薬(睡眠薬や精神安定剤など)をそれぞれの症状に応じて使用していきます。

ご来院いただいた後の注意点

  • できることはなるべく自分で行うように、リズムのある生活を心がけます。
    住所、連絡先を書いたカードをポケットや財布に入れ、必ず身につけさせておくようにします。
  • 患者さんと同等に介護者のケアも重要です。ただこの点については一般に十分な理解がなされていません。認知症患者の75%が自宅で介護を受けている状況で、ずっとお世話をする介護者の苦労は並々ならぬものがあるため、社会資源の活用も大切です。

認知症チェックリスト

  1. 同じことを短い時間のうちに何度も言ったり聞いたりするようになった
    はい ・ いいえ
  2. 話す時、物の名前が出にくく、「あれ」「これ」などと言うようになった
    はい ・ いいえ
  3. 以前はあった関心や興味が失われ、日課をしなくなった
    はい ・ いいえ
  4. 置き忘れやしまい忘れが目立つようになった
    はい ・ いいえ
  5. 時間や場所の感覚が不確かになり、約束事を間違えるようになった
    はい ・ いいえ
  6. 計算の間違いが多くなった
    はい ・ いいえ
  7. 慣れている所で、道に迷ったことがある
    はい ・ いいえ
  8. 蛇口やガス栓の締め忘れが目立つようになった
    はい ・ いいえ
  9. 薬の管理が出来ない
    はい ・ いいえ
  10. 片麻痺あるいは失語症がある(脳卒中になったことがある)
    はい ・ いいえ
  11. 最近、よくむせる。しゃべりにくく、飲み込みにくいことがある
    はい ・ いいえ
  12. 以前から高血圧、あるいは糖尿病がある
    はい ・ いいえ
  13. 歩幅が狭くなり、歩きにくくなった
    はい ・ いいえ
  14. おしっこがすぐに出ずに回数が多くなった。あるいは尿漏れがある
    はい ・ いいえ

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