うつ病
うつ病とはどんな病気?
うつ病は強いゆううつな気分とともに、意欲が出ない、考えがまとまらないといった精神的な症状と、眠れない、疲れやすいなどの体に現れる症状が長く続き、日常生活に支障が出てしまう病気です。つまり、エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じてしまっている状態と考えることもできます。
私たちには自然治癒力という素晴らしい機能が備わっていて、通常はさまざまな不具合を回復へ導いてくれます。私たちは日常生活の中で、時折憂うつな気分を味わいます。不快な出来事によって食欲が落ちることもあります。しかし、脳のエネルギーが欠乏していなければ、自然治癒力によって、時間の経過とともに元気になるのが通常です。時間の経過とともに改善しない、あるいは悪化する場合には生活への支障が大きくなり、「病気」としてとらえることになります。
うつ病は脳内にあるセロトニンやノルアドレナリンといった心のバランスを保つ作用のある物質が減ってしまうことが原因と考えられています。
年々患者数が増加している病気で、日本人の15人に1人が一生のうちで一度はかかるという調査結果も報告されています。
うつ病の原因は?
ストレスや心身の病気、環境の変化など、様々な要因によってうつ病が発症すると考えられています。しかし、うつ病発症の原因はまだはっきりと分かっていません。うつ病の原因と考えられるものをご紹介します。
環境的要因
- 幼少期の思い出・経験
- 家族や親しい人の死亡
- 仕事や財産の喪失
- 人間関係のトラブル
- 家庭内でのトラブル
- 就職や転職、転勤、結婚、離婚による環境の変化
- 妊娠、育児、引越しなどによる環境の変化
身体的要因
- 慢性的な疲労
- 脳血管障害
- 感染症、がん、甲状腺機能の異常
- 月経前や出産後、更年期などホルモンバランスの異常
- 降圧薬、経口避妊薬などの服用
その他の要因
- 遺伝的要因
- 過度のストレス
うつ病になりやすい家系となりづらい家系があります。親戚にうつ病の方が多いからと言って、必ずうつ病になるわけではありません。
環境的要因であげたもの以外にも、短期間で過度のストレスを感じるとうつ病になることがあります。
「大切な人との死別」や「リストラ」のような、悲しい出来事だけではなく、「昇進」や「結婚」のように嬉しい出来事がうつ病の原因になることもあります。
うつ病の原因を紹介しましたが、うつ病はただ1つの原因のみで発病するのではなく、複数の原因が積み重なって発病します。うつ病かもしれないと感じたら、自分1人で解決するのではなく、周囲の人に相談したり、お近くの心療内科を受診しましょう。
うつ病になりやすいタイプは?
まじめで責任感が強く、人あたりもよく、周囲の評価も高い人がうつ病になりやすいと言われています。真面目で責任感が強いことは多くの人に当てはまり、むしろ社会においては重要な要素です。
中でもうつ病になってしまう人は、この性格が人よりも強く、仕事や人間関係に対してより多くのエネルギーを使ってしまいます。
特にうつ病になりやすい性格について、3つご紹介します。
- 循環性格
- 執着性性格
- メランコリー親和性性格
循環気質の方は社交的で人付き合いがよく、親切であることが特徴です。気さくでユーモアに富んでいる反面、情動的で気分に浮き沈みがあり、躁鬱病になりやすいタイプと言われています。
こだわりが非常に強く、責任感が強いことが特徴です。何事にも全力で取り組んでしまう完璧主義者のため、他の人よりもエネルギーを消費し、精神がすり減ってしまいます。
几帳面な性格ですが、ある一定の秩序が保たれているところでしか安定できないことが特徴です。自分よりも他人のために行動する傾向が強く、秩序を保つことに執着します。
もし自分がうつ病になりやすい性格かもしれないと感じたら、医師に相談してみることもおすすめです。医師に相談することで、うつ病に対する適切なアドバイスや指導を受けることができます。
たわらクリニックの紹介
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